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相互フォローは、本当に無意味なのか?

Twitterにはフォロワーを増やすための方法として、お互いにフォローしあう「相互フォロー」が利用されることがある。

無差別にフォローし、フォローしてくれなかったアカウントのみを解除すれば、結果的に相互フォローだけで積み上げられたフォロワーが数字として残る。

現在、ユーチューバーとして活動中のメンタリストDaiGo氏は、動画の中でこうした相互フォローによって作り上げられたフォロワーは、ビジネス活用には繋がらないとして、その手法を否定している。

ただ、彼の主張は、あくまでビジネス活用のためのフォロワー増加の施策としては効果的ではないという見方だ。Twitterというプラットフォームで単に友達を作りたいという理由ならば、相互フォローは使われ方としては「あり」なのかもしれない。

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相互フォローによる営業効果

では、相互フォローによるフォロワー増加は、ビジネス活用としては、本当に無意味なのだろうか?

僕のアカウントでは、フォロワー0という状態が10カ月以上続いている。そのうちの9カ月は、アカウント登録をしただけで放置していたのだ。今年に入ってから呟きを再開したので、実質Twitter歴は、1カ月ほどになる。

その1カ月の間で、3回のフォローがあった。しかし、最初のフォローは「bot」だった。そして、そのアカウントは、数日後に消えた。

それからしばらくして、二つのフォローがついた。どちらも人であるが、明らかに相互フォローを期待したものだった。僕が相互フォローせずに放置していると、予想通り、二つのアカウントは数日後に解除されていた。

この二つのアカウントのプロフィールを確認すると、いわゆるビジネスアカウントであり、集客を目的としたものだった。つまり、彼らは、フォローの少ないアカウントをターゲットに「営業」をしていたわけだ。

まず、ターゲットとなるアカウントをフォローし、プロフィールを確認させて自分のビジネスに興味を持たせる。興味があれば相互フォローが成立し、その後、ターゲットのタイムラインに自分の商品を売り込むことが出来るという流れだ。

彼らは、自分のツイートを見つけてくれるのを単に待つのではなく、自分のビジネスに興味を持ってくれそうなツイートをしているアカウントを探して営業をかける。

多分、この手法でフォロワーを獲得することも出来るのだろう。そういった意味では、相互フォローがビジネスにとって全く無意味というわけではなさそうだ。

同業者の相互フォロー

よく見られるのが、同業者どうしの相互フォローだ。例えば、弁護士のアカウントが、同じく司法関係の職種のアカウントをフォローするといったような。

ここには、どんなメリットがあるのだろう?

まず、考えられるのは、業界の情報収集という側面だ。司法関係で何かニュースがあれば誰かがツイートするのでそれがタイムラインに入ってくる。

また、弁護士にも得意分野というものがある。知財関係ならこの弁護士、離婚訴訟ならこの弁護士というような場合、横の繋がりがあれば依頼者に専門家を紹介し合うことが出来る。

ある程度の人脈を作っておけば、ダイレクトメッセージなどでアドバイスを送り合って、お互いの仕事をフォローしあうことも可能だろう。ある意味、相互フォローは名刺交換のような機能を持っている。

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相互フォローとコラボ動画

では、お互いが同じ程度のフォロワーを持つアカウント同士の相互フォローなら、どうなるだろう?

例えば、フォロワー1000人ほどのアカウントAとBが二つあり、そのどちらも旅に関するツイートを行っていた場合、相互フォローすることでどういった状況が生まれるか。

Aが旅に関するツイートをすれば、Bのタイムラインにそれが入る。Bはそれを見て、気に入ればリツイートする。その逆もあるだろう。

Bのフォロワー1000人はタイムライン上で、Bのリツイートを見ることになる。つまり、間接的にBにリツイートされたAのツイートを見ることになる。

Aのツイート見た何人かのフォロワーは、同じ旅をテーマにツイートしているAに関心を持ち、ツイートを辿ってAのプロフィールを見る。そこで気に入ればAのフォロワーとなる。

つまり相互フォローによって、Aのフォロワーの何割かがBへと流れ、Bのフォロワーの何割かがAに流れるというwinwinの状態を作ることが出来る。

丁度、YouTubeの「コラボ動画の効果」と同じ現象だ。

だから、Aのフォロワーが1000人、Bのフォロワーが2000人ならば、宣伝効果はAの方が高いことになる。

ただし、AのツイートをBがリツイートしなければ、Bのフォロワーのタイムラインには表示されない。必然的に恩恵を受けるには、AはBがリツイートしそうなツイートをしなければならない。

また、Bのフォローが少なければ、BのフォローアカウントをチェックしにきたフォロワーがAのアカウントを見つけるかもしれない。しかし、Bがフォローしているアカウントが多すぎれば、その中からAは見つけられないだろう。

無意識に除外される「それ以外」

DaiGo氏の発言は誤りではないが、いくつかの前提がありそうだ。

まず、コラボ効果が期待できない全くタイプの違うアカウント同士の相互フォローには、二次的なフォロワー増加の効果は見込めないということだ。例えば、botによる相互フォローなど。

そして、そのアカウントが大量の人をフォローしている限り、ツイートをしたところで、大勢のツイートに埋もれてしまい、それを目にとめてリツイートしてくれる確立は小さくなっていく。

また、そのアカウントが全くリツイートしない人なら、フォローしても効果は期待できない。

ただ、botのように全くツイートせずに、ひたすら相互フォローによってフォロワーを獲得する方法は、ビジネスによっては有効な場合もある。

例えば、万人が興味を持つであろう商品、金儲けの話や、働き方、ライフスタイル、新機種のスマートフォンなど、誰もが興味を持つようなジャンルならば、それが不特定多数のフォロワーだったとしても、一斉にタイムラインに広告を流すことが出来れば、そのうちの何割かが反応することは考えられる。

あくまでDaiGo氏のように個人で本を執筆して売るというビジネスモデルならば、相互フォローに価値が無いということだろう。

インフルエンサーがこうした発言をする場合、その影響力は大きい。

ただ、彼らは自分のビジネスモデルだけを見て発言しているということに注意しなければならない。彼らにとって「それ以外」という世界は想定されていないのだ。

相互フォローにも質がある

仮に、僕のTwitterアカウントがフォローされた場合、相手が同じ分野のアカウントならば、フォローを返すようにしている。以前は、フォローするよりもフォロワーを増やすことばかりを考えていたが、ある事に気づき、それをやめた。

ある事とは、こちら側がフォローしているかどうかは、大して重要ではないということだ。要するに相手が僕のアカウントに興味を持ってくれたという事実確認が取れれば、それが相互フォローだったとしても、事実が変わるわけではない。

僕が100人のフォローをしたとする。そして、フォロワーが50人だとする。フォローした数よりもフォロワーの方が少ないからといって、特定の事柄に関心を持っている50人のフォロワーが存在することには変わらない。そして、その一人一人がどんなことに関心を持っているかが重要なのだ。

相互フォローであっても、質が良ければ有用な情報をシェア出来る。それは、Twitterが始まってからずっと続いているSNSのシンプルな活用方法だ。

近年 ” インフルエンサー ” という職業が台頭し、影響力の担保としてフォロワーを数として捉える風潮が流行っている。数として捉えると ” フォロワー ” が何であるのかを見誤る。ここを勘違いしているインフルエンサーは以外に多い。

フォロワーは「人」である。

そして、担保された ” 影響力 ” とは、フォロワーの所有物だ。インフルエンサーのものではない。

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