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「ネットの情報は無料」という幻想・情報に金を払い続ける人々

インターネットの情報は、フリーではない。

これは広告をクリックしたからとか、インターネットプロバイダに月額料金を払っているから、という単純な話ではない。

奇妙なことに、殆どの人はこのことに気づかずお金を払い続けている。ネットの情報は無料だと勘違いしながら。

ネット上に無料の情報は無い

突然だが、もし、あなたが2000円のサプリメントを購入したとする。

あなたは2000円の価値がある商品を購入したと思うかもしれないが、その商品の価格はどうやって決められたかを考えてほしい。

企業は利益を出すために日々活動している。サプリメントの工場を稼働させるコスト、輸送費、材料費、もちろん、広告宣伝費もその中に入る。で、価格を決める。利益を出せる価格だ。

つまり、あなたは、企業がコストとして支払った広告宣伝費を商品を買うことで負担していることになる。間接的に。

さて、ほとんどのブログには広告がついている。

あなたはブログの広告を一切クリックせずに情報だけを閲覧することが出来る。一見、フリーライドしているように見える。

ブログを見終わったあなたはスマホ画面を閉じ、コンビニに入りおにぎりを買う。もし、そのおにぎりを製造している食品メーカーがネット広告を出しているならば、その広告費をおにぎりを買ったあなたに負担させているわけだ。

つまり、あなたが一切広告をクリックしなくても、商品価格に含まれる形でしっかりと請求されている。

これは、インターネットの中だけの話ではなく現実世界の話だ。もし、あなたがプロバイダ契約をしておらず、一切インターネットをしない環境で生活していたとしても、企業は広告を出すだろうし、コンビニに商品を並べるだろうし、商品に広告費を含めた価格を設定するだろう。

つまり、あなたがネットをしなくても近くのスーパーで生活必需品を買うことで、企業の広告費を負担したことになる。

あなたから回収した価格の中の広告費は、一旦、広告を出した企業に渡り、それはGoogleに渡り、Googleがある一定のルールに基づいてブログ運営者に支払う。

だから、あなたはブログ運営者に金を払って、情報を得ていることになる。

「消費社会」という枠組みに中で

もし、あなたがリフォームに関するブログを見たとしよう。しかし、あなたにリフォームの予定は無い。だから、そのブログに張り付けられたリフォーム業者の広告がクリックされることもない。

あなたは、ブラウザを閉じて、入会している有料動画配信サービスにアクセスし映画を見始める。もちろん、その月額料金には、その配信サービスがネットに出稿している広告費が含まれている。

しかし、あなたの払っている月額料金は、あくまで配信サービスの広告費を負担しているだけで、さっき見ていたリフォームブログとは全く無関係。だから、結果的にブログはフリーライドしたことになる・・・とは言えない。

あなたにはリフォームする予定が無いのだから、リフォームブログの運営者には1円も払ってはいないはずだ。だが、あなたの代わりに誰かが払うだろう。リフォームの需要がある限り。

逆に、あなたは月額料金で動画配信サービスを利用しているが、その料金には、三か月無料お試しキャンペーンに参加して、結局、入会しなかった見知らぬフリーライダーの分を負担しているのだ。

もしかすると、配信サービスのキャンペーンをただ乗りしたフリーライダーが、半年後にリフォームの予定があるとしたら、あなたがただ乗りしたリフォームブログの運営者に、あなたの代わりに情報提供料を払っている可能性もある。

つまり、「広告ビジネス」という枠組みの中に、見知らぬ者どうしがお互いに情報提供料を支払うという仕組みがある。インターネットは、そのための「プール」なのだ。

税金にも情報提供料が?

だから、あなたがブログ運営者の思惑どおり広告をクリックしなかったとしても、結局のところ、あなたはどこかのタイミングでブログ運営者に情報の対価を支払うことになる。

では、広告を付けていないブログや、NPO法人、政府や公的機関のホームーページなどで閲覧できる情報は「無料」ということでよいのだろうか?

まず、政府に関しては、税金で情報提供料を回収していると考えれば、無料ではないということになる。

個人ブログやNPO法人のホームページに広告を貼っていないのであれば、広告収益を受け取ってはいないわけだから、それは「無料の情報」なのだろう。

ただ、寄付や書籍のような有料コンテンツに誘導するという目的ならば、ある意味「無料」とは言えない。

いずれにせよ、ネット上で手に入る「無料」の情報は、ごく限られた範囲だ。

 

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