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著作権侵害「スクショNG」範囲拡大で何が起こる?

スクリーンショットもNG?

今、SNSで衝撃が走っている。

2月13日、著作権侵害を知りながらインターネット上のあらゆるコンテンツ ( 漫画、写真、論文、小説、雑誌、コンピュータープログラムなど ) をダウンロードすることを全面的に違法とする方針」が文化審議会著作権分科会で了承された。

これまでは、音楽と映像に限られていたが、ここに来て、デジタルコンテンツと呼べる全てに対して、いっきに範囲を広げた形だ。

さらに、メモとして著作権侵害されたウェブページのスクリーンショットを撮影する行為も「ダウンロード」に含まれるという。

SNSなどでは、本来は侵害される側である漫画家などからも反対意見のツイートなどが投稿され、波紋が広がっている。

どうなる?後で読むサービス「Pocket」

スクリーンショットNGということで、最初に頭に浮かんだのは、僕の利用している「Pocket」というサービスについてだ。

Pocketは、いわゆる、後で読むためにウェブページをストックしておくサービスだが、もちろん、ウェブページに掲載されている写真などもPocketにコピーされることになる。だから、ウェブページ自体が無くなっても、ストックされた記事は残る。

ストックされたウェブページに掲載されている写真が著作権侵害しているかどうかはPocket側が知る由もない。そもそもユーザーがどのウェブページをストックするか分からないからだ。

自分のパソコンにスクリーンショットを保存する行為がNGということなら、Pocketのサービス自体が「ダウンロード」にあたる・・と考えると、今後こう言ったサービスは、対応を迫られる可能性もある。

Pocket以外では、有名なところではEvernoteやMicrosoftのOneNoteなどが、ウェブページを丸ごとコピーしてクラウド環境にストックする機能があるが、今回の政府の動きは、その辺りとも軋轢を生むかもしれない。

ウェブページが消滅する前に保存しておきたいという需要は今でも一定数ある。もし、法律によってそれが出来なくなるとなれば、ウェブブラウジングの快適さは、また一つ失われてしまうだろう。

誤った優先順位

つい最近では、くら寿司の不適切動画炎上騒動があったが、若者二人が投稿した店内での悪ふざけを撮影した動画のコピーが、Twitterによって拡散されてしまった。

今では、動画のスクリーンショットをご丁寧に並べて、記事にしているウェブサイトもある。もちろん、著作物利用の許可など取っていないだろう。

こうした著作物を無断で利用しているウェブサイトなどは、今でも、検索上位に必ず出てくる。

ここで思うのは、著作権侵害のコンテンツのダウンロードを取り締まるならば、まずは、著作物の無断利用をしているウェブサイト、SNSでの利用を取り締まるべきではないか?ということだ。

著作権侵害を犯しているウェブサイトを放置しながら、表示された写真を保存した訪問者を罰するというのは、何とも腑に落ちない。

ただ、刑事罰の対象範囲については「抑止を行う必要性が高い悪質な行為に限定する」ということなので、突然、警察が家に来て「あなた昨日、googleの画像検索で年賀状のイラストをコピーしましたね。逮捕します」とはならないだろう。

それは、あまりにも馬鹿げた世界だ。

拡大するグレーゾーン

ウェブサイトで著作物を無断で利用するためには、どこかから、それを「ダウンロード」しなければならない。そういった意味では、今回の方針は、著作物の無断利用を防ぐという間接的な抑止効果はあるのかもしれない。

一番、効果的な方法は、googleが著作物を無断利用しているウェブサイトを検索結果に表示しないことだが、あいにく、この改正は政府の管轄であってgoogleには関係がない。それに、どのコンテンツが無断利用されいているかを把握することは、ほぼ不可能だろう。

それが不可能なら、違法なダウンロードを判別することも不可能だろう。ダウンロードされたものが著作権を侵害していることを証明できれば話は別だが。

以前は、YouTubeの動画や音楽をダウンロードするプログラムや、それを紹介するウェブサイトなどがあったが、今では、そういった違法ダウンロードに関するウェブサイトは表舞台には出て来なくなった。

しかし、今回の範囲拡大は、テキストや画像という特別なプログラムを介することなく簡単にコピーすることが出来るコンテンツが対象となっているため、特定のウェブサイトやプログラムを取り締まって防止するということも出来そうにない。

著作権侵害の対象範囲がデジタルコンテンツ全てに拡大するというのは「取り締まれるはずがない」という開き直りを助長するということはないだろうか?

例えるなら、信号機の黄色が無くなり赤二つになったら、赤信号を守らない人がより増加するというような。

今回の決定は、単にグレーだった領域が、さらに大きくなっただけで混乱を生むことは必至だ。ますます、ネット利用が分かりにくいものになったような気がする。

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