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Amazonに依存しつつある僕たちの生活。その行く先は?

4月4日、アマゾンが配送料を最大5割値上げするというニュースがあった。購入金額が2000円未満の場合、全国一律350円が、本州四国は400円に、それ以外は440円。注文から最短で届くお急ぎ便は、北海道、九州のケースでは360円が、540円に。

当初、Amazonは書籍だけを販売していた。しかし、あっと言う間に総合百貨店へと成長し日本市場を席捲した。以前はAmazonに注文すれば、黒猫ヤマトが配達に使われることが多かったが、輸送コストの問題でヤマトとAmazonの間で亀裂が生じ、ヤマト向け委託比率が3割低下となった。

2017年に発覚した従業員への残業代未払い問題を是正すべ、ヤマトは働き方改革を推進。宅急便の物流を抑制し運賃値上げを図る。結果、コスト削減と利益を追求するAmazonとの取引が減少した。

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黒船来航

Amazonという黒船は、物流業界だけに影響があったわけではない。書店を含む、出版業界にも大きな影響を与えた。日本の出版業界は黒船来航に戦々恐々としていた。

これまでの書籍や雑誌の販売に頼ったやり方では、外資系企業に対抗できないという思いから、出版業界には新しい市場の開拓が求められていた。その内の一つが、オーディオブックである。

Amazonがきっかけで、それまで小さかった日本のオーディオブック市場が急拡大しはじめた。その一環として新潮社はオーディオブックサービス「LisBo」を立ち上げる。

今や「Amazon Prime」というブランドを立ち上げ、コンテンツ配信サービスまでを網羅しているAmazon。僕もPrime会員だ。多分、あなたも。

僕たちの生活に ” 外資系 ” が浸透している。なぜ、こうも日本企業は弱体化してしまったのだろうか。なぜ、日本にはイノベーションが生まれないのか。

長すぎる経済低迷によって、誰もが博打を打たなくなった。

Amazonに対する批判

Amazonが日本の小売業にとって脅威であるのは間違いないが、本拠地、アメリカでもその存在感を増している。トランプ大統領はTwitterで、配送を安く請け負っている郵便局が何十億ドルも損をしていること。国民の納税によってそれが負担されていることを指摘。

米国におけるEコマースの売上高の43.5%はAmazonが占めており。50%に迫る勢いだ。国民の間でも急速に拡大していく大手テクノロジー企業に対する懸念は高まっている。

今年の3月にはアマゾンの株式時価総額がグーグルを越えて米企業2位になった。時価総額は、7680億ドル(約81兆円)

GAFA ( Google,Apple,Facebook,Amazon )を代表とする巨大企業が社会に与える影響は大きい。とりわけ物流を支配しつつあるAmazonは、他のIT企業とは一線を画し、人々の消費と生活に直結している「物流」に深く関わっている。

何らかの理由でGoogleがシステムダウンを起こし、Gmailや検索サービスが利用できなくなったとしても即座に困るということはないが、もし、Amazonのウェブサイトがアクセス不能になったら・・多くの人が影響を受けるだろう。

小売業によっては好機ではあるが。

経路依存性

Googleにも言えることだが、企業一社の世界に対する影響力が大き過ぎるというのは、小売価格をコントロールできるといった独占禁止法だけの問題ではなく、人々に依存させることで、それ以外を選べないという状況を作り出す。

いわゆる ” 経路依存性 ” だ。

身近な例で言えば、仕事でWindows10のノートPCを使っていて、設定の全ては仕事のために最適化されている。ブラウザのブックマークやフォルダ管理、エクセルで使用するマクロ、システム管理用のバッチファイル、インストールされた多くのアプリなど。

さて、これをデザインが好きだからという理由だけでAppleのMacに変更出来ない。変えることは出来るが、同じ環境を作り上げるのは、大変、面倒な作業になるため、結局、Windowsを使い続けることになる。

意思とは反して、使い続けなければならないという状況が生まれるわけだ。

僕たちは、GoogleやAmazonという巨大テック企業が大きくなり過ぎていることを自覚しながらも、Gmailを使い続け、検索サービスを使い、近くの家電量販店に出向かずにAmazonを使い続けている。

企業は ” 経路依存性 ” と個人から収集したビッグデータを利用しながら、莫大な収益を上げる。

この先には、何が待っているのだろう?

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