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新規ユーチューバーは今からゲーム実況をするべきか?

YouTubeへ新規参入する者が選択するジャンルとして多いのが、「エンターテイメント」と「ゲーム実況」だろう。HIKAKIN氏のように両方のジャンルに参入しているクリエイターもいる。

エンターティメントのような子供に人気のあるジャンルが、視聴回数を伸ばせるというのは理解できる。YouTubeの利用者層は若い世代が中心だからだ。

では、ゲーム実況というジャンルはどうか?

ゲーム実況も、現在のYouTubeの利用者層とマッチしているように見える。ただ、エンターテイメントに比べて、小さな市場であることは確かだ。

HIKAKIN氏が実況している「maincraft」は、2018年初頭の時点で1億4400万本を売り上げている大ヒットゲームだが、僕の周りにmaincraftをやったことが無い人、そもそも知らないという人は結構いる。

なので、HIKAKIN氏が現在実況している「ヒカクラ2」を視聴するのは、maincraftを実際にプレイしている人、もしくは、maincraftに興味がある人という範囲になる。

生き延びる道

maincraftや、フォートナイトなど、大ヒットタイトルをチャンネル登録者100万人以上のトップクリエイターが実況すれは、それだけの見返りを得ることが出来る。

ゲームをプレイする人々の多くは、トップクリエイターの実況動画を見ることになるだろう。そして、それが新規参入者からmaincraftを実況するメリットを奪う。

YouTubeのアルゴリズムが新規参入者に厳しいのは知っての通りだ。

僕の知る範囲では、登録者10万人以上の中堅クリエイターは、HIKAKIN氏の君臨する maincraft を避けている傾向があり、また、10万人に満たないチャンネルでmaincraftを実況しているクリエイターもいるが、再生回数が伸びずに苦戦しているようだ。

その中でも、比較的登録者獲得に成功しているチャンネルも存在している。

現在、15万人の登録者を有する「えびちゃんねる」は、トップクリエイターのように単にゲームプレイを見せるというのではなく、maincraftを選択しながらも独自路線を打ち出している。

同チャンネルでは、maincraftの面白さをより奥深いものにしている「レッドストーン装置」を使った仕掛けやカラクリを数多く開発し、それを動画コンテンツとして配信している。いわゆる「特化型」だ。

動画を視聴する限り、クリエイターが膨大な時間をかけて、maincraftのアルゴリズムを研究していることが分かる。様々な活動を掛け持ちしているトップクリエイターには出来ない所業だ。

FPS系ゲームはレッドオーシャン

maincraftや、フォートナイトなど、世界的ビッグタイトルの実況は、トップクリエイターのある種、専売特許のようにもなっているが、もちろん、ゲームは他にもある。

例えば、FPS系ゲームとしては、Call of Dutyシリーズや、BATTLEFIELDシリーズなど、戦争を舞台にした人気のタイトルや、近年、台頭してきたバトルロワイヤルゲーム、PUBGや荒野行動などは、プロゲーマーなどが実況している場合もあり、どちらかと言えば、ヘビーゲーマー向けのコンテンツとして配信されている。

つまり、コアゲーマー層に向けたジャンルを選択したクリエイターたちだ。

そして、元々、人口が少ないコアゲーマー市場に参入したクリエイターは、ある程度の再生回数を確保するため、そして、長く遊ばれているゲームでなければ、飽きられた時点でこれまで蓄積された関連動画が全て無駄になるため、有名タイトルを実況する以外に道がなく、それが競争の激しいレッドオーシャンを作り出す要因になっている。

しかも、プロゲーマークリエイターは、数日間ゲームをプレイしないと腕が鈍るという理由から、ゲームプレイの実況から外れて他の道を模索することが出来ない。ひたすらプレイするのみであり、差別化が難しいという事情がある。

先行優位という現実

ゲーム実況で多くの再生回数を期待できるメジャーなビッグタイトルは、トップクリエイターが取りに来ることは確実だ。

すでにゲーム実況というジャンルには、登録者246万人を有する2bro「兄者弟者」という大手チャンネルが存在している。2bro は話題性のあるゲームは、ほぼ全てカバーしている。ゲーム業界全体のトレンドに合わせてコンテンツを配信しているのだ。

先行優位性という視点から考えれば、そこに今から無策で参入することは、ほぼ、巨大なハリケーンに素っ裸で突っ込むようなものだ。

えびちゃんねるがこうしたレッドオーシャンの中で生き残っているのは、mincraftというゲームが特化をすることが出来るタイプのクラフト系ゲームだからだ。

ストーリー系のゲームや、撃ち合い中心のゲームならば、特化というポジショニングは難しいだろう。結局は、ただのゲームプレイ実況をするしかない。

新規参入者はゲーム実況をやるべきか?

では、メジャーではないが、ある程度、人気のあるゲームならばよいのか?

つまり、トップクリエイターがあまり取り上げないマニアックなゲームなど、ニッチ市場への参入ということだ。

例えば、B級ゲームだけをコツコツと実況し、マニア層を集めるという戦略もあるかもしれないが、一発、バズって登録者が何倍にも跳ね上がるという夢を見ることは出来ないかもしれない。かなりの時間は要するだろう。

こうした難しい状況の中、一風変わったゲームチャンネルがある。現在、登録者45万人を獲得している「マル秘ゲームズ」だ。

このチャンネルでは、あらゆる過去作のゲームアーカイブから、面白ネタを集めてまとめ動画として配信している。そして、編集技術のセンスにより、すでに忘れ去られてしまった古いゲームを見事にエンターティメントとして仕上げ、ユニークな動画作品として成立させている。

もし、このレッドオーシャンに参入するというなら、HIKAKIN氏のようにゲーム実況をして、そのリアクションを見てもらうというスタンダードな手法は選択するべきではない。

ゲームという媒体を通じて何か別の要素を付け加える、もしくは、別の要素にゲームを取り込むという形で「ゲーム実況」ではない別の形を模索した方がよいのかもしれない。

 

 

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