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ラファエル氏BAN騒動から見えてくるYouTubeの今後

YouTubeのクリエーターに対する規約が、一層厳しくなっている。

2019年がまだ始まったばかりのこの時期に、YouTubeが新たなコミュニティガイドラインを発表した。そのガイドラインは、動画内で危険行為を行うことを禁じるものだ。

そして、この規約変更後、日本で最初の犠牲者となったは、200万人以上の登録者を抱えていたトップユーチューバー、ラファエル氏だった。

ラファエル氏は、過激なチャレンジ企画などで人気を不動のものにしていたが、その裏側では、YouTube側から三回の警告を受けており、その間、動画作品の今後の方向性を模索していたと言う。

そのさなか、1月22日に今回のアカウント停止処分となってしまった。ラファエル氏への処分は「見せしめ」という側面もあるのだろう。

YouTubeへの忖度が始まる

この悲劇を目の当たりにしたクリエーターたちの関心事は、今後のYouTubeがどういったルールを作ってくるかということに尽きると思う。

彼らの努力の結晶である動画作品はストックされ、収益を生み出すための資産となるわけだが、それが突然難癖をつけられ、アカウントが丸ごと停止となれば、積み重ねてきたものが全て水の泡となる。

そして、そういった「Xデー」がいつ訪れるかも分からない状態なのだ。

多分、クリエーターの中には、これまでアップロードした動画にリスクのありそうなものが含まれていないかチェックし、引っかかりそうなものは自発的に削除する者も出てくるだろう。

それは、ストックされた作品だけでなく、これから生み出される新たな作品にも、判定基準を明確にしないYouTube側の顔色をうかがいながら、グレーゾーンに入る企画を自発的に避ける傾向が、今後、強くなっていくということだ。

つまり、リスクを避けるための「忖度」という動きが活発になることは間違いない。

テレビ vs YouTube

YouTubeは、以前から規制強化を徐々に強めてきているが、今後は、さらなる強化が予想される。

そして、行きつくところは、現在のテレビ業界と全く同じルールということになるやもしれない。

これによって起こることは、テレビ番組では許されなかった企画をYouTubeで提供し、注目を集めてきたクリエーターたちが、もはや、テレビ局と競合しなければならないということだ。

テレビ局の歴史とインフラを見れば、個人のクリエーターがそこで戦っていくのは、かなり難しいかもしれない。

このままルールを厳しくし続ければ、テレビ業界に対する優位性を失うことはYouTube側も当然分かっているだろう。

差別化を図ることが出来るとすれば、個人のクリエーターに多種多様のコンテンツを提供してもらうことだ。

テレビ番組ではニッチ過ぎて企画にならない小さな需要を掘り起こし、ロングテール戦略を行えば、クリエーターに活躍の場を与えることができる。

テレビ局が視聴率に縛られている間は差別化になるだろう。YouTubeが今後、どう動くのかが気になるところだ。

クリエーターの将来を示唆する一本の動画

では、個人のクリエーターは、今後どうなっていくのだろう?

それは、ヒカル氏とラファエル氏が対談している次の動画にクリエーターの未来を知る鍵が隠されているようにも思う。

動画の中でラファエル氏は、YouTubeの不明確な基準について言及している。

今度、何が規制対象になっていくか分からない現状ではリスクを避け、過激な企画を押さえて安全な作品作りに心がける。そして、YouTubeに依存しないために、多方面でリスク分散をしていきたいと語る。

現在、登録者295万人のヒカル氏も、最近ではリスクを避け、過激な内容から距離を置きつつ、方向転換を図っているようだ。これは、ただの雑談動画ではない。今後のクリエーター全体の方向性を示す象徴的な作品だ。

すでに、一方的な方針転換を繰り返すYouTubeへの不信感、そして「忖度」は、トップユーチューバーの間でも始まっているのだ。

今、クリエーターたちの頭上に暗雲が垂れ込めている。

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