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ディビジョン2から「ゴーストリコン・ブレイクポイント」に乗り換えた話

UBIがディビジョン2の次回作「Tom Clansy’s The Division Heartland」のリリース予定を発表してから、ディビジョン2は破格のセールで売り出されはじめた。僕の記憶が確かならば、価格はワンコインで買えるほどの値段にまで下落した。

それ以前にも、大型DLC「ウォーロードオブニューヨーク」リリース前に大きなセールを行った。( 現在、ディビジョン2は、UBIストアで1188円で購入できる )

この大安売りによって、ディビジョン2に大量のビギナーユーザーが流入した。UBIがセールを連発する以前は、マルチプレイミッションに参加すると、レベル1000を超える猛者たちがマッチングされることが多かったが、セール以後では、レベルが30に満たない初心者とマッチングすることが頻発するようになった。

ベテラン勢の中には初心者が紛れ込んでいることに不服なのか、マッチングを途中で抜けるプレーヤーもいた。

しかし、新規のビギナープレーヤーは、僕たちが長い時間をかけて困難なミッションをクリアし、装備を強化していった苦労をよそに、もっと早いスピードでそれを成し遂げていった。レベルが二桁であっても、高難易度のミッションを十分にこなせる装備を身に着けていたのだ。

こうしたビギナーでありながら、古株のベテラン勢に引けを取らない装備を手に入れた ” ビギナーエキスパート ” がボコボコと量産されている。

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ディビジョン2の潮時

なぜ、ビギナーエキスパートが量産されているのか?

その理由は、UBIがこれまで行ったアップデートによるところが大きい。アイテムのドロップ率を調整し、当初は無かった再調整システムを導入、目標アイテムを選択できる大型コンテンツ「サミット」の追加。全てはデビジョンブランド、延いては次回作「Heartland」に新規勢を取り込むための布石である。

新規勢がディビジョン2を楽しめるように数々のシステム調整を行った上での破格のセール。UBIの思惑どおりだ。

ビギナーエキスパートはUBIの戦略によって生まれた副産物であって、ベテラン勢よりも、ゲームの才能があるから急速に成長したというわけではない。勘違いしているビギナーもいるが。

さて、新規勢の大量流入が始まってから、僕は、しばらくディビジョン2に在籍していたが、引っ掛かり始めていた。プレイヤーのモラルについて。

前回の記事には書かなかったが、ディビジョン2を卒業した理由のもう一つは、プレイヤーのモラル低下がある。

例えば、マルチプレイミッションに参加した際に、クリア直前で示し合わせたように除外されたり、フレンドリーファイヤ ( チームに対する嫌がらせ攻撃 ) を受けることもしばしばあった。

酷かったのは、ミッションに参加した際、スタート地点にリスポーンした直後に、チームから一斉射撃されたことがある。多分、面白がってやっているのだろう。

前作からこのシリーズに愛着を持って遊び続けているベテラン勢ならば、普通、このようなくだらない行為をすることはないが、新規勢の中には悪質な ” 荒し ” が紛れ込んでいることがある。低年齢層がお小遣いで買えるほど低価格になったことも関係しているかもしれない。

彼らにとっては、数百円で手に入れた一昔前のゲームに何の愛着も無く、単なる ” 使い捨て暇つぶしゲーム ” に過ぎないのだ。こうした連中に遭遇する度に、僕の中で「もう、そろそろ潮時かな」という気持ちが大きくなっていった。

ブレイクポイントへ再ログイン

次回作の「Heartland」がどういったものになるのか、まだ分からないが、とりあえずディビジョン2から足を洗うことにした僕は、今、「ゴーストリコン・ブレイクポイント」にログインしている。

なぜ、ブレイクポイントなのか?

2019年にリリースされた本作はUBIにとって痛手だった。ゲーム業界からは商業的には失敗作と言われていた。リリース当初、2019年度第3四半期に発表した投資家に向けた資料では「ゴーストリコン・ブレイクポイント」の予想収益を大幅に下方修正している。

また、レビューサイト「Metacritic」では、PC版メタスコア58点、ユーザースコア2.2と振るわず、メディアとユーザー双方から酷評を受けている。ネット界隈では「ブレイクポイントは、ディビジョン2の劣化版」といった声も聞かれた。

僕もブレイクポイントについては、当初、そんなに評価は高くなかった。前作「ゴーストリコン・ワイルドランズ」もプレイしていたが、前作の方が楽しくプレイできた印象がある。

ディビジョン2に時間を取られ、ブレイクポイントは序盤のみをプレイしただけで、そのまま放置状態になっていた。しかし、ディビジョン2を卒業したのをきっかけに、もう一度、再ログインすることに。

実は、ブレイクポイントは一度全クリアし、今、二周目に入っている。一週目の後半でブレイクポイントの真価は「イマーシブモード」であると気づいたのだ。

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ディビジョン・テンプレート

ブレイクポイントには「イマーシブモード」と「レギュラーモード」という二つの設定がある。レギュラーモードには装備レベルがあり、レベルの高い装備ほど性能が良い。つまり、アイテムを入手し、装備をそろえていくほど戦闘が有利になる。

この部分がディビジョンシリーズと同じシステムなので、ディビジョンをプレイしたことのあるプレイヤーにはとっつきやすい。プレイスタイルはディビジョンと同じくアイテム収集が主な目的となる。いかにレアアイテムを入手し、キャラクターを強化していくか、という遊び方だ。

他にもレギュラーモードでは、初心者でもプレイしやすいように、マップのアイテム位置表示、敵のスポッティング機能など、様々な点でサポートが充実しており、結果、ミッション難易度が低めになっている。ビギナーにとってはストレスの無いプレイが楽しめるわけだ。

しかし、僕は、この「レギュラーモード」が、” ディビジョンの劣化版 ” と酷評される原因になっているように思う。

ブレイクポイントは初期設定のままでは敵が手ごわく無いため、武器が強ければ力業で押し切れてしまうのだ。そこには戦略も何も無い。どのミッションも同じである。ワーっと攻めて、撃ちまくって、殲滅して終わり。

ブレイクポイント発売当初、ゴーストリコンシリーズの特色の一つだった「AIチーム」が実装されておらず、完全に一人プレイ化されていた。前作では、プレイヤーと共に行動する3人の味方NPCがAIチームとして機能していたのだ。( 現在、アップデートにより実装済み )

コミュニティからは「AIチームをなぜ無くしたんだ?」という声も上がった。多分、UBIはマルチプレイでカバーしようとしたのだろう。AIチームを外せば、ユーザーはもっとマルチプレイに参加するだろうと。

しかし、プレイすると分かるが、ブレイクポイントは明らかにマルチプレイ向きのゲームではない。

知り合いどうしがボイスチャットで「俺は右から、君は左から」「OK!」というような連絡を取り合いながら行う分にはよいが、見ず知らずのプレイヤーどうしが、広いマップでチームとしてどう立ち回るか、となると問題が生じる。各々がバラバラに行動し、まとまりが無いのだ。

結局、誰かが発砲し始めたら、ワーッと撃ちまくって終了。

ディビジョンでは、ミッションが閉じられたエリアで明確なゴールに向かって進行するため、チームとしての連携が取りやすい。敵の一団が現れれば、誰かが動きを封じ、他のプレーヤーが攻撃するといったことが出来るが、ブレイクポイントは広いマップに敵が散らばっているため、そういったプレイも出来ない。

なので、ディビジョンのような楽しみ方を想定して、ブレイクポイントを始めると ” ? ” となる。

ディビジョンシリーズのテンプレートに無理やり押し込められたブレイクポイントは、ユーザーたちに ” 劣化版 ” の烙印を押された。UBIは自社製品が足を引っ張っることを想定できなかったのだろうか?

ブレイクポイントの真価

「イマーシブモード」はアップデートによって追加された難易度設定に関する機能だ。

イマーシブモードでは装備レベルが無効となる。そして、あらゆる点で様々な制限が課せられる。ミニマップでは地形以外の情報は非表示となり、敵の位置もミッションの位置も示されない。マップに記載された地名と建物内で見つけた手がかりの写真や資料によって、自ら位置を割り出し探索するのだ。

また、装備できる武器はメインとサイドの二つのみに制限。休養を取るためのピバークでは武器、アイテムの購入が不可となり、ヘリや車両の調達も出来ない。

移動手段の車両が欲しければ、走っている敵車両を襲撃して奪う必要が出てくる。体力回復薬や手榴弾が必要ならば、敵拠点に侵入し盗み出すか、部品や自生植物などを収集してクラフトしなければならない。

装備レベルが無効化されるので同じ武器を携帯する必要が無くなり、状況に応じて適切な武器を調達することになる。スナイパーライフルが必要なら監視塔の見張りを襲うといったような。

徒歩で急斜面の山を越える時、消費したスタミナを回復するために水筒で水分を補給し、負傷した時は岩陰で傷に包帯を当てることもある。

つまり、ストーリーミッションやサブミッション以外にも、様々な調達ミッションが自らの意思で発生するのだ。そして、リアルなサバイバル体験がゲームの中心となる。

ディビジョンシリーズでは体験できない ” サバイバル要素 ” がブレイクポイントでは楽しめる。そして、その舞台となるのが、広大な雪原地帯、山脈、草原、原生林、沼地、田園地帯、川、海岸線、様々な表情を見せる ” アウロア島 ” の大自然。

戦闘に疲れた時は、手に入れた地図を頼りに宝探しをするといったアドベンチャープレイも楽しめる。AIチームを連れてヒッチハイク感覚で自然の中を探索するのも悪くはない。オフロードバイクで海岸や平原を疾走する爽快感は純粋に楽しい。

戦闘に関しては、敵NPCの強さレベルに ” アドバンス” と ” エクストリーム ” が用意されており、最高難易度のエクストリームでは銃撃戦で被弾すれば致命傷、遥か300m先からスナイパーに一撃で打ち抜かれて即死するといった実戦さながら緊迫感のあるゲームへと変貌する。

もはや、” 力業 ” は通用せず、レギュラーモードとは全く別の立ち回り、戦い方が試される設定だ。

ビギナーの場合、敵が手強くなるとスナイパーを選択し、物陰に隠れて遠くから射撃というような面白みのない戦略を取りがちだが、味方NPCシステムの導入で蘇生可能となり、操作に慣れてくれば、ショットガンを携えて敵地に殴り込みにいくスタイルも成立するようになった。

もちろん、いくつものツールを使いこなすテクニックが必要だ。一瞬でも隙を与えれば敵の弾丸に打ち抜かれるだろう。

ブレイクポイントは、ディビジョンシリーズとは全く別ジャンルのゲームであり、劣化版でもなければ亜種でもない。ディビジョンシリーズを持っているからといって、ブレイクポイントを楽しめない、というわけではない。

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