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オリンピック反対派は中継を見てはいけないのか?

先日、Twitterを見ていると、日本維新の会の鈴木宗男参議院議員の名前がトレンドワードになっていた。

7月29日に行われた東スポの取材に対して鈴木氏はオリンピックに関して次のような発言をしたと言う。
「五輪に反対した奴にはテレビを見るな!と言いたい」

この発言を受けてTwitterでは、批判的意見が投げかけられている。

「始まったら見るのが普通」
「だったら、NHKの受信料返せ!」
「政権批判するなと言うなら全体主義だ」

この発言の経緯は、立憲民主党の蓮舫氏などが反対の立場を取りながら、メダル獲得に祝福のコメントを送るといった ” 手のひら返し ” を行っていることに対して鈴木氏が釘を刺した形だ。

ツイートの中には、鈴木氏の発言を擁護するものもあり、賛否両論の様相となっている。

「一般市民ならともかく政治家ならば言動に責任を持つべき」
「この人は嫌いだが筋は通っている」

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オリンピックはそんなに重要じゃない

僕はオリンピック開催については反対していた。それは、一般的に報道されている感染拡大の引き金になるかもしれないという懸念というより、オリンピックによって世間で高まっている不満のガス抜き効果を心配していたからだ。コロナ対策を批判され続ける現政権は選挙前にガスを抜いておきたいのだろうが。

オリンピック中継に関しては、僕自身、ニュースでハイライトシーンが流れていれば足を止めて見る程度で、そもそもオリンピックに関心は無かった。

オリンピックが経済復興してくれるわけではなし、我々庶民の生活を良くしてくれるわけでもない。仕事を受注した関係企業は儲かるだろうが、ほぼ、僕たちの生活には影響が無い。

僕は ” オリンピックに反対した者は中継を見てはいけない ” とは思わない。見たい人は見ればいいし、それをいちいちTwitterに呟いたりはしない。リプライに何が書き込まれるか分かり切っているからだ。

ただ、オリンピックに感動して、” よし、明日から俺も頑張ろう ” とは思わない。一人が頑張ったところで日本は良くならないからだ。とは言え、諦めるべきでもない。

すべきことは、自分の置かれた ” リアル ” を正しく認識し、情報を集め、選挙に行くことだ。

ビットコインに投資して一儲けするというプランよりも現実的だし、コストもかからない。ベストセラーの自己啓発本を買って勉強したところで、ベースとしての社会全体が疲弊しているのだから、成功する確率は限りなく小さい。

結局、誰かの成功を支えているのは、その社会なのだ。

NHKによると29日、東京では過去最高の一日3865人の感染者が確認され、三日連続で過去最多を更新。専門家のシュミレーションによると来月26日には一日1万人越えの可能性もあるという。

これは、オリンピックによってクラスターが発生したという見方も出来るが、飲食店への過剰な圧力や人流を規制しておきながら、” 問題無し ” として、オリンピックを開催している政府のダブルスタンダードに対して、都民が呆れ、半ばやけくそになっている結果のような気もする。

因みに、IOCのマーク・アダムス氏は、会見の席でオリンピックと感染者数の拡大は無関係だと強調した。

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ダーティ・オリンピック

さて、オリンピックに関するもう一つの炎上騒動と言えば、天皇陛下のスピーチのすぐ隣で、菅総理と小池都知事が起立をしなかったという出来事があった。

僕もその部分を動画で確認したが、細かく説明すると、天皇陛下がスピーチを始めてから、7、8秒経った頃、それまで笑みを浮かべて開会式の様子を眺めていた小池都知事が、スピーチをする陛下の向こう側に視線を向けた後、突然立ち上がり、それにつられる形で菅総理が起立。

画面の外側なので映ってはいないが、向こう側の人が起立しているのを見たか、誰かの合図で気づいたのか、とにかく ” うっかりミス ” という感じだった。

また、二人の後ろに座っていた秘書官なのか誰かは分からないが、スーツの男性も小池都知事の動きを見て、遅れて立ち上がった。多分、あの場に小池都知事が居なかったら菅総理は座り続けていただろう。

ネット界隈では、陛下に対する不敬だとバッシングする向きもあり、それに対して「ちょっとしたミスだろ。大して騒ぎ立てることじゃない」という擁護の声も上がった。

僕としては、菅総理がうっかり自民党嫌いの人々に良いツッコミどころを提供してしまったなという感想だ。しかし、あまりやり過ぎると、返って無党派層に「菅さん。可哀そう」というプラスイメージを与えてしまうかもしれない。

今回の東京オリンピックは、色々とスキャンダラスな話題に事欠かない。

過去のイジメ行為を暴露され、開会式楽曲担当だったアーティストが急遽降板、他にも過去作が問題となり開会式ショーディレクターを担当していた演出家の降板、クリエィティブディレクターの性差別発言、振付・演出を担当していた演出家が連絡無しに解任されるなど、もはや、週刊誌やネットを巻き込みながら、足の引っ張り合いの様相を呈している。

そして、日本政府とIOCのパワーバランス、オリンピックで大きな利益を上げる一部大企業。

ある意味、オリンピック運営の悪い部分が全部見られた貴重な大会だった。 僕は今大会にダーティ度数10点万点を付けたい。

おめでとう、IOC。おめでとう、日本政府。

 

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