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ブログ界隈は、なぜ金の話しかしないのか?

「あなたが、そういうブログばかりを見ているからだろう」

と言われてしまいそうだが、多分、同じように感じている人もいるのではないだろうか? 今回は、あえて、この件について触れてみよう。

ブロガーとして活動していると、どうしてもブログで月収いくら稼いだとか、副業が本業の収入を越えたとか、如何わしい情報商材とか、そういう話が耳に入ってくる。

ブログだけでなく、Twitterにもそういった ” 成功者 ” と呼ばれる人々があちこちにおり、多くのフォロワーを集めている。

この世界には、なぜ、こうも ” 成功者 ” が蔓延しているのだろう?

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ビジネスモデルのパターン化

ユーチューバーとして活動し、執筆家でもある ” えらいてんちょう ” 氏 (通称:えらてん) が、動画内でとあるコンサルタントを名指しで批判、経歴詐称疑惑を告発した。告発を受けてコンサルタントがTwitter上で反論、その後、炎上騒動へと発展した。えらてん氏の主張は、次のようなものだった。

「あなたは成功者のふりをして信者を集め、信者から収益を得ているのではないか?」

これまでブログ界隈で誰にも批判されることなく、やり過ごしながら暗黙の内に行われてきたこと、そして ” インフルエンサービジネス ” と名前を変え、今もTwitter上で行われているこのビジネスモデルが、彼の告発によってベールを剥がされ、界隈に周知されてまった。

その後、炎上騒動はコンサルタントが共同運営していたオンラインサロンに波及し、サロン会員は激減、名前を変えて再スタートしたがあえなく閉鎖へ追い込まれた。

これまでは、何となく胡散臭いとしか言われていなかったことが、「ああ、あのパターンね」と言えるようになってしまったわけだ。これは ” 忖度 ” という言葉が世間一般に知れ渡った現象に似ている。

それまで、テレビでは聞いたことがない言葉だった。日本の政界やメディアの中には、権力者に配慮して自主的に良きに計らうという文化は古くからあったが、そういったあまり表沙汰にならなかった文化が、家計・森友学園問題以降、” 忖度 ” という言葉によって様々なところで扱われるようになった。

国会にて。

野党「相手が権力者だから、自分から配慮したんじゃないですか?」

あまり、ピンと来ない。

野党「忖度したんでしょ?どうなんです?」

分かりやすい。

複雑な状況を一言で言いあらわす言葉があるか無いかで国民に与えるインパクトは違ってくる。

稼ぐノウハウ教えます系ビジネス

成功者と呼ばれるブロガーは、ほぼ大半が実績をちらつかせて金の話をする。そして、追従者を集めて教室を開き、コンサルタント業で収益を上げる。

その収益はブロガーの実績に加算され、プロフィールに書き込まれる。それがさらなる客寄せになっていく。

この「稼ぐノウハウ教えます系ビジネス」は、基本的にクローンを生成しているに過ぎない。だから、高額なコンサル教室を卒業した生徒の始めるビジネスは、やはり「稼ぐノウハウ教えます系ビジネス」になる。

このビジネスは「「稼ぐノウハウを教えるビジネス」を教えるビジネス」という、結局、何を売っているのか分かりづらい構造を持っている。

基本的構造は、こうだ。


(1) 高級スーツをレンタルで入手。それを着てインスタグラムにアップする。

(2) 人々が成功者だと勘違いして集まる。

(3)「どうしたら、あなたのようになれるんですか?」

(4)「教えてほしければ、一万円の商材買え」

(5) 集まった信者から集めた金で高級スーツを買う。(この時点で高級スーツが事実となる)

(6) それをインスタグラムにアップ。後は繰り返し。

 

二重に閉じられた括弧を見ても分かる通り、このビジネスは再帰的であり、永続性がある。ただ、永久に続くわけではなく、同じビジネスを展開するクローンが量産され続ければ、いつか市場はレッドオーシャンになるので、そこが潮時となる。

レッドオーシャンにならない場合もある。それは、稼ぐノウハウに再現性が無い場合だ。未来の競合となるクローンは、学んだノウハウから成果を得ることが出来ず市場から撤退する。儲かったのは、最初に教室を開いたコンサルタントだけだ。

日本に流行する病

さて、こうも儲け話を餌に客寄せをする ” 成功者 ” たちに、なぜ、人々が疑いもせずに集まるのか?

理由は単純だ。この時代、最も人々の心に刺さるものが ” 金 ” だからだ。

もう少し具体的なことを言うならば、現在、日本はデフレ不況にさらされている。20年以上も。アベノミクスによって景気は回復せず、政権が目標としていた物価上昇率2%も今だ達成されていない。人々が不況に喘いている。

こんな状況下で、ピシッとした高級スーツに身を固めた紳士が自信ありげに ” 儲け話 ” を話す。困窮する人々には、どう見えるだろう?

つまり、” デフレビジネス ” なのだ。不況下の日本だからこそインフルエンザのように、それは流行する。インフルエンザなら季節的なものだが、このビジネスは日本がデフレを脱却するまで続くだろう。

考えてみてほしい。もし、日本の景気が回復し、国民の財布にゆとりが出てきたら、僕らは、きっと何かを買いたくなるだろう。

財布には買いたいものを買えるお金があるのだから、もちろん ” 怪しげな儲け話 ” の必要性も薄れていく。

そういった景気の良い時に消費されるのは、実績という鎧に身を固めたインフルエンサーでも、高額なノウハウ系サロン教室でもない。大型液晶テレビや、電気自動車、ディズニーランド、ハイスペックPCや、おいしいイタリア料理の店、ダイエットグッズなど、豊かな時代を象徴する ” 物 ” が消費されるようになる。

人類が物質から精神の時代に入ったというような話も聞くが、物が消費されなくなったのは、単純に経済が低迷し日本が貧困化しているからだ。

疲弊する経済の中で誰もがもがいている。どうにかして金を手にいれ、生活を少しでも楽にしたいと。スキルアップのためにプログラミグを学ぼうとする学生。ブログを始める主婦。仮想通貨に手を出すサラリーマン。

結局、そのどれもが ” 金 ” を得るための努力に過ぎないのだ。

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