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自作PCから煙が上がった時の話 ( グレードアップの落とし穴 )

PCを燃やしかけたなんて人生後にも先にも、多分、あのとき一度きりだろう。

毎年発表される新作ゲームの推奨スペックに合わせて、メーカー製のパソコンを買い替えるという馬鹿げたことをしたくなかった僕は、自作PCを始めたわけだが、長い目で見ればPC買い替えにかかるコストをかなり抑えることが出来たと思う。

動作が遅くメモリが不足気味なら、メモリをだけを追加し、計算処理が遅ければCPUだけを交換した。基本は必要な物だけを交換し、それ以外は使い続けるというスタイル。

その中でも、最も交換頻度の高いパーツは、はやり、グラフィックボードだろう。

いつもの戦略

パーツに詳しくない人のために説明しておくと、グラフィクボードは、要するにゲームをする時に必要なやつだ。凄いグラフィックを動かすとしたら、このパーツに金をかける必要がある。

ゲーム業界では、毎年のように映像にこだわり抜いた凄い作品が発売されるわけだが、そのクオリティは年々スケールアップしている。そして、それに呼応して、グラフィックボード業界も毎年、新たな製品を送り出している。

「このボードを使えば最新作のあのゲームが快適にプレイできます」という触れ込みで店頭にそれが並ぶわけだ。

だから、何年も前の古いグラフィックボードを付けているマシンを使っていると、新作ゲームに必要な推奨スペックに及ばない場合が出てくる。

そういったとき自作師は、二つの選択肢を迫られる。推奨スペックを満たす新しいグラフィックボードを買うか、ゲームを諦めるか。

僕の戦略はこうだ。「推奨スペック」ではなく、プレイするのに最低限必要な「必須スペック」を参照に、各ネットショップで中古品を探し回る。

それが見つかったら最も安いショップから購入し、宅配で届き次第、自分のマシンに取り付ける。そして、あらかじめ買って自機にインストールしておいた新作ゲームのグラフィック設定画面を開き、レベルゲージを「最低」にしてプレイを開始する。

最新のボードをまともに買っていたら、ゲームを買う金が無くなり、結局、ゲームは出来ない。こうするしかないのだ。「せこい」とは言わないでほしい。

安心もつかの間

2011年11月。ゲームメーカー大手のEAから、待ち望んでいた新作ゲームが発売された。「バトルフィールド3」だ。

バトルフィールドシリーズは、戦争を舞台としたシューティングゲームの金字塔のような存在で、僕はこのシリーズがゲーム業界に登場した時から遊び続けていた。

ただし、購入直前で例の推奨スペックが問題になった。その当時、マシンに取り付けてあったグラフィックボードは、2009年製の「 PALIT GeForce GTS250 E-Green (VRAM:512MB)」だった。以下がその写真だ。

そして、バトルフィール3の推奨スペックが以下だ。

<推奨スペック>
CPU: 3 GHz Quad Core
メモリ: 4 GB
HD空き容量: 20 GB
グラフィック: NVIDIA GeForce GTX560 VRAM:1024以上

注目してほしいのは「グラフィック:GeForce GTX560」という部分の数字だ。僕のグラフィックボードは、GTS250。GTXとかGTSについては、ややこしいので説明を割愛するが、要は数字が大きいほどスペックは高い。見て分かるとおりスペックは全く届いていない。

ならば、必須スペックについてはどうだろう。

<必要最小スペック>
CPU: 2 GHz Dual Core
メモリ: 2 GB
HD空き容量: 20 GB
グラフィック: NVIDIA Geforce8800相当以上の8、9、200、300、400、500シリーズ VRAM:512MB以上

グラフィックの項目には、何やらゴチャゴチャ書いてあるが、とにかく必須スペックはどうにかクリアしているようだ。

次にVRAM だ。 VRAM とは、PCにメモリがあるように、グラフィックボードにも専用のメモリがチップとして付いている。見てみると推奨スペックは1024MBが必要だが、僕のはその半分の512MBしかない。

だが、一応は必須スペックは何とかクリアしている。今回はパーツをグレードアップする必要は無かったようだ。一安心。

そこで、ゲームをインストールし始めたわけだが、もちろん、グラフィック設定は「最低」にしてある。途中までは、どうにか問題なくプレイ出来ていた。

途中までは・・

結局、買うという・・

通常、グラフィックボードのスペックが足りない場合は、ゲーム画面の動きがカクカクする。しかし、そうではなく画面の明るさが暗くなったり、戻ったり、それにともなってカクカクも始まるといった奇妙な症状があらわれた。

しばらくしてから、激しい戦闘になると、それに合わせて画面が暗くなることに気づいた。

「クソッ、ダメだ。グラボが古すぎるんだ・・」

僕は、一旦、ゲームを止めて、新しいグラフィックボードをAmazonで探し始めた。そして、これを見つけた。

「 msi N560GTX (GeForce GTX560) 」

それは、推奨スペックをクリアしており、ネットにも、そのボードでバトルフィールド3 を実際にプレイしているレビューなどがあったので間違いは無かった。

ああ、パソコンから煙が・・

新しいグラフィックボードが届くと、さっそく自機に取り付け、再びゲームを再開した。グラフィック設定は、もちろん「高」だ。

動きはカクカクすることは無かった。はやり、推奨スペックを満たしているだけある。しかし、前回、画面が暗くなるという現象が起こった問題のステージに入ると、なぜか、例の症状が始まったのだ。

「あれ、何で? ボード変えたじゃんかよ!」

若干、画面が暗くなったとはいえ、ゲームを続けることは可能だった。僕は、この激しい銃撃戦を切り抜けることが出来れば、再び、明るさは戻るだろうと信じて、引き金を引き続けた。

しかし、戦闘は激しさを増し、敵の戦車の砲撃が建物を破壊していった。異変に気付いたのは、騒音と臭いだった。

「あれ、焦げ臭いな・・」

いつになくファンの回転する音が大きく感じられた。そして、マシンに目をやると、僅かだが白い煙が立ち上っているのが見えた。

「あ、やばい!マジかよ!」

僕は、急いでPCの電源を切り、蓋を開けて調べたがグラフィックボードに異変は無かった。

煙の発生源は電源ボックスだった。(電源ボックスとは、PC全体に電気を供給するパーツのこと)

スペックの高いグラフィックボードには、稼働させるために別途、電源を必要とするものがある。確かに買ったばかりのボードには、電源を供給するためのコネクタがついていて、僕は電源ボックスから延びているコードをそのコネクタに繋いだのを思い出した。

つまり、グラフィックボードに供給する電気の量が少なくて戦闘中に画面が暗くなっていたのだ。

ゲームの推奨スペックに、必要なグラフィックボードの性能までは書いてあるが、そのグラフィックボードがどれぐらい電気を消費するかまで教えてくれるわけもない。

その後、僕は、再び Amazonに行き、今度は、一回り大きな電源ボックスを買うことになった。

ちなみに、煙を出した電源ボックスは故障していなかった。まだ使えると思う。下の写真がそれだ。

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