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「5G」がYouTubeに恩恵をもたらすのは本当か?

「5G革命」と色々なところで言われているが、それによって通信速度が100倍以上、ニ時間の映画を数秒でダウンロード出来ると言う。

その「5G」の波が来ると、データ量の大きな動画コンテンツがより快適な環境で視聴することが出来るため、YouTube市場がそれによって拡大するとも言われている。

果たして、5Gによって本当に市場は拡大するのだろうか?

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本当に、5Gはクリエイターに恩恵をもたらすのか?

この点に関して、僕は、少々、厳しい見方だ。

5Gによって通信速度が劇的に変わったとして、本当に二時間の映画を数秒でダウンロード出来たとしよう。もし、スマホやタブレットで、いつでもどこでも何の滞りも無く、ハリウッドの超大作映画を見ることが出きるというなら、素晴らしい技術革新だ。

つまり、これまで通信速度の限界で嫌煙されていたリッチコンテンツがどんどん消費される時代になる。

5Gによってリッチコンテンツ市場が拡大するならば、YouTube本社も想定しているだろう。当然、YouTubeはリッチコンテンツの拡充にリソースを割きたいと思う。個人のクリエイターが運営するちっぽけなチャンネルの方ではなく。

例えば、Amazonがオリジナルの海外ドラマを配信しているのと同じように、YouTubeが映画やドラマに出資して、ハリウッドスターを起用したオリジナル作品を作る可能性は大きい。拡充されていくほど個人のクリエイターの出番はさらに無くなっていく。

つまり、YouTubeは運営方針をリッチコンテンツ寄りのサービスにシフトする可能性があるということだ。誰もメントスコーラや雑談ライブ配信を高画質で見たいと思っていないし、YouTubeもそれは承知の上だろう。

ハリウッド映画や人気の海外ドラマがYouTubeで気軽に見られるということは、個人のクリエイターにとって新しい黒船に視聴者を奪われる可能性がある。黒船に追いやられ、YouTubeにも蔑ろにされたクリエイターたちが脱落していくという状況はありえる。

つまり、5Gによって市場拡大をもたらすことは違い無いが、個人のクリエイターのいる市場のことではない。

シフト

ただ、リッチコンテンツが拡充されたとしても、一つ問題がある。

製作費数億円もかけて作られた映画をYouTubeで公開して、広告ビジネスでペイできるかと言えば、それは現実的ではない。

いくらYouTubeであってもハリウッドに匹敵するだけのプラットフォームでないのは確かだ。あくまで、個人のクリエイターレベルで成り立つビジネスモデル。

とは言え、YouTube自身が広告ビジネスよりも、有料コンテンツで収益を上げるというモデルにシフトするというなら話は別だ。

「5G」の波は個人のクリエイターにとって、さらなる飛躍ではなく、衰退をもたらすとすれば彼らの全盛期は「今」なのかもしれない。

もしかすると、数年後、広告ビジネスから脱却したYouTubeは、全く違う形、例えば、Netflixのような有料配信サービスになっている可能性もありえる。

実際、YouTubeでは有料コンテンツとして映画を配信しており、金を払いさえすれば視聴することが出来る。これは、テストランなのか? 変化はすでに始まっているのかもしれない。

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ジャック・アタリ (著)

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