消費税が10%へと引き上げられる。誰もが消費を抑え、不況に拍車がかかるのは間違いないだろう。僕たちは、この不況を生き抜く上で、どうすればいい?
いずれにしても個人個人の生活に影響があることは確かだ。缶ジュースが100円から120円になってから、確実に自販機でジュースを買うことが無くなったように。
それは、真綿で首をしめるかのようにジワジワと効いてくる。だから怖い。僕たち庶民が何となく受け入れてしまい、何となく払い続けている消費税。そして、誰も文句を言わない。要するに日本国民全体が「不況慣れ」しているのだ。
デフレが20年も続けば、人々の間で買わない生活習慣が定着するのは必然だろう。
買わないという選択肢
これから、僕たちは「買わない」という選択をすることが多くなるだろう。
例えば、車を買い替えなければならないとしたら、新車や中古車ではなく、月額利用料1万円ほどのカーリースサービスを利用するという選択肢も入ってくる。
カーリースと言えば、これまでは都心部など、車を必要としない客層に向けたサービスだったが、今後は、地方でも車を買い控えたい人や維持費を減らしたい人がカーリースを利用することになる。カーリース事業は、今後、拡大するだろう。買わずに借りるという方向だ。
一方、ハードオフや古着ショップなどは、苦戦を強いられるかもしれない。
一見すると、不景気で人々の財布の紐が固くなるので新品よりも中古を買い求める需要が増えるように思える。ただ、不景気で物価が安くなっているので、いちいち中古品を買うまでも無く、安い価格で新品を購入することは出来る。
と言って、中古ショップが中古品の価格をさらに下げれば、ビジネスとして成り立たなくなる。新品の商品ですらギリギリの低価格で売っているわけだから、下げられる幅はほとんど残っていない。
つまり、不況下では、中古品と新品商品の差別化が難しいのだ。
デフレビジネスの加速
このブログでも、度々、取り上げているのが、情報商材系のブログやコンサルタントなど「儲け話」を商品に人々を集めているインフルエンサーたちだ。
不況下では、こういったデフレビジネスが人を集める。それだけ「儲け話」に対する需要が高いということだ。
日本は、20年間デブレが続くという世界でも異例なケースとなっている。もし、今の中国のように好景気になれば、こうしたデフレビジネスは発達することは無かっただろう。それは、一時的な流行として消え去るはずだった・・
しかし、不況が長引いたことで、こうした情報商材系ビジネスが発達し、より巧妙になり、手数が増えた。そして、「インフルエンサー」という大きな影響力を持つ存在を生み出した。
それによって「持てる者と持たざる者」という構図が出来上がる。つまり、格差だ。
インフルエンサービジネスをマルチ商法やネズミ講だと言う人もいる。ある意味、似た部分もあるが、そういった単純な構造ではない。SNSという仕組みによって、より複雑で、より大掛かりになっている。
ただ、入信した全員が成功者になれないという点では一致しているが。
増税によって、デフレは後5年、いや、あと10年は続くかもしれない。いずれにしても、この手の「信者ビジネス」はより加速し、人々の間で格差を広げるだろう。
若者の意識は変わらない
もし、これ以降も政府が誤ったデフレ政策を打ち続けるとしたら、格差が広がり続けるというなら、もはや、海外に目を向けるしかなさそうだ。
不況に慣れてしまった日本人の意識を変えるのは容易ではない。
そもそも好景気の状態を知らない若者に、政治家が「今の現状を変えよう!」と呼びかけても、
「何が?、なぜ変えなきゃいけないの?」という冷ややかな反応が返ってくるだけだ。人は見たこともないものを欲しがったりしない。
不況で最も怖いものは「慣れ」だ。
なぜ、庶民の意識が変わらないのか? 要するに、不況が長過ぎたのだ。
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