” YouTubeバフル ” なるものが大量の参入者を呼び寄せている。
丁度、日本が本物のバブルだった1980年代。通勤電車の中で二人のサラリーマンが投資先について、何が有望株なのかを話し合っていた。
二人は投資家でもなければ、投資会社の社員でもない。普通のサラリーマンが株の話をしているのだ。こういった光景は日常のあちこちで見られた。
ただ・・・ それはバブル終焉の兆候でもあったのだ。
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正午のサイドビジネス
YouTube活況と言われる中で、焦燥感が漂い始めているというのも事実だ。何十万もの登録者数がありながらも「将来が見えない」といった不安を口にするクリエイターもいた。
トップを走り続けるクリエイターたちは、多分、その不安をより具体的なものとして感じているはずだ。動画では語らないが、彼らには ” YouTubeバブルの終焉 ” が確かに見えている。
あなたの知っているユーチューバーが、何やらサイドビジネスを始めるという話を聞いたことはないだろうか? 例えば、視聴者層が若い女性ならば化粧品ブランドの立ち上げ、エンタメ系のチャンネルならばグッズ販売。ビットコインを始めるクリエイターもいる。
ある程度の資産と収益があれば、サイドビジネスという発想は当然なのかもしれない。そして、今は活況市場であっても、いつかピークを迎え衰退するというのも現実的な観測だ。それは避けようがない。
問題はピークがいつか?
もし、安泰かに思われているトップユーチューバーたちが唐突にサイドビジネスを始めたら、そして、猫も杓子も、株・・・いや、「YouTubeは儲かるらしい」という話をあちこちで始めたとしたら・・・
ピークはもうすでに目前に迫っているのかもしれない。
磨き過ぎると輝きは失われる
ダイヤは磨けば磨くほど輝くか?
いや、研磨し続ければ、やがて擦り減って無くなってしまうだけだ。クリエイターの発信するコンテンツに関しても同じことが言える。
コンテンツを作る側はそれを磨き上げるが、過度なブラシュアップはコンテンツの質を下げてしまう場合がある。
例えば、機能を追加し過ぎて使いづらくなってしまうアプリのように。ヒットした映画やドラマでも続編は必ずと言っていいほど評判が悪い。絵画や音楽でも、これ以上色を足すべきではない、音を足すべきではないという限度がある。
動画コンテンツそのものをブラシュアップするのは難しい。一度、アップロードされたものを再編集するのは ” 撮り直し ” を意味するからだ。ただ、動画作成ノウハウといった意味では、これまでブラシュアップされてきた。
YouTubeには、確かに受けの良いサムネイルがあり、動画の構成、テロップの入れ方、企画、そういったものがノウハウとして蓄積され確立されていった。そして、多くの後発組がそのテンプレートを採用し、似たようなコンテンツを量産していった。それが今、クリエイターを苦しめている。
” どれを見ても同じ ” になったのだ。
成功ノウハウは量産されると効果を失っていく。そして、ピーク時には、その現象が顕著になっていく。ムーブメントの終わりを招く原因の一つだ。
ピークを知らせる合図
” 成功者に習う ” というご都合主義マインドが蔓延することで、活況だった市場の ” 旨味 ” は失われ、ピークアウトする。これは、昔から繰り返されてきたことだ。そして、例外なくYouTubeバブルも同じ轍を踏むことになるだろう。
定番企画とお約束の編集で成功を手に入れようとしている後発組は、言うなれば、トップクリエイターの亜種であり、続編でしかない。
そして、後発組を破滅へのレールへ送り込んでいるのは、大手のクリエイター事務所なのだ。新人育成という名の元に、可能性の塊をテンプレートにはめ込んで出荷している。ヒットしたドラマの成功体験を忘れることが出来ずに、いつまでも似たようなドラマを作り続けるテレビ局と同じように。
彼らは成功するための方式を熟知していると思っているが、実際は、市場の寿命を縮めているに過ぎない。
もし、大手事務所主導で新人育成プログラムやユーチューバー専門学校が流行りはじめたとしたら・・・それは、業界の「正午」を知らせる合図なのかもしれない。
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