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僕がpythonを始めたきっかけ。pythonの人気が無かった頃の話。

厳密には、僕は職業としてのプログラマーではない。単に趣味の延長としてプログラムを学んだわけだが、実際に成果物として何かを作ったことのある言語は次の4つだ。

VisualBasic、C#、Java、Python。それ以外では入門書を読んで少し触ったことがある言語、例えば、C、C++、javascript、PHP、Rubyなどは入門はしてみたものの、あまり必要性を感じなくて自然消滅といったところだ。

この中でもPythonは、特に気に入っている言語だ。日常で小さな困り事が出来ると、大抵、Pythonで便利ツールを作ってみるという使い方をしている。ある意味、僕にとってPythonは、ポケットに入るキャンピングツール(小型ナイフやフォークが一つになった折り畳み式の小道具)のようなものだ。

それを言うなら、JavaやC#は、キッチンからベッドまで生活するための全てを完備したキャンピングカーだろう。

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肩身の狭さ

ずっと昔、Pythonは、日本では今ほどメジャーな言語として認識されていなかった。

「プログラミング出来ます」

「ほう、それは凄い。ところで何の言語だね」

「Pythonです」

「・・・・」

というような気まずさが「Python」という言語には確かにあった。

そして、書店に行ってもPython関連の本は、一、二冊しかなく、入門者にとって敷居の高いマイナー言語だった。今、書店に行けば、棚一つ分のPythonコーナーがあるぐらいだ。だから、僕はPythonをこっそり触っていることを誰にも話さなかった。

どうせなら、C++やJavaをカッコつけてメインで使いたかったが、それでも人気の無いPythonを触り続けたのは、コードの見た目が実に美しく感じたからだ。

「プログラミングは何が出来るかが重要であって、コードの見た目なんてどうでもいいんだよ」と言う人もいるかもしれないが、僕にとっては、それはとても重要だった。

JavaきっかけのPython

そもそも、僕がPythonを触ってみたいと感じたのはJavaがきっかけだった。

覚えたのはPythonよりもJavaの方が先だった。当時はメインストリームだったし、ネットでも書籍でも情報量は最も多かった。

ただ、著名なJavaプログラマーの中には、Javaが時代の変化にともない機能を付け足しながら増築された結果、統一感を失ったレガシーシステムだとして嫌う向きもあった。

彼らスーパープログラマーの言う具体的な技術の話はちんぷんかんぷんだったが、僕の中で「Javaって何だがゴチャゴチャしている」という日頃から感じていた不満とリンクしたように思えた。

Javaでいう” 美しいコード ” とは、つまり大規模開発をする時に、メンテナンスのしやすさや、再利用性、チーム開発の可読性などに配慮された ” 後々、チームで管理しやすいコード ” を意味している。だから、個人のプログラマーが思い付きで何か作るという小さなニーズとは、元々、違った設計思想だ。

具体的なことを言えば、オブジェクト指向、デザインパターン、テストケースといった定番の設計思想があり、テンプレートどおりにコーディングすれば、チームで仕事をしやすくなる。つまり、大規模システム開発を想定した言語なのだ。

プリペイドコード

そもそも、僕も色々とコードを書いてきたが、そのほとんどは使い捨てのプリペイド携帯のようなものだった。

開発するのは一人なので、忘れない程度にコメントを残し、どこかの会社で動かす業務アプリではないのでメンテナンスの必要もない。その時、動けばそれでいい。

Pythonという言語に惹かれたのは、そういった僕のプログラミングに対するニーズに答えてくれるように見えたからだ。Pythonをイメージするとしたら、コマンドプロンプトで動かすバッチファイルが近いかもしれない。もちろん、出来ることの幅はもっと広いが。

コードの美しさだけではなく、ちょっと書いて試して、ちょっと変えて試して、みたいな実験をするような感覚でコーディングするのに丁度良い。

javaで何かを作るとなると、始めにクラス設計をしなければならない。逆に言えば、しっかりとしたクラス設計をしなければ収拾のつかないコードになる言語でもある。

グイドが見ていた未来

新しい言語は次々に生まれている。

2003年にはマーティン・オーダスキーが「Scale」を開発。2009年にはGoogleが「Go」を。2011年にはJesBrains社が「Kotlin」を。2014年にはAppleが「Swift」を。2014年にはFacebookが「Hack」を発表。

実はPythonの誕生は1990年で、1995年発表のJavaよりも年上なのだ。それが今になって注目されている。

2021年6月「TIOBE Programming Community Index (PCI)」が公開。検索エンジンで最も話題性のあるプログラミング言語のランキングを発表している。一位は「C」で12.54%、二位は「Python」で11.84%、三位は「Java」で11.54%だった。Pythonは上位に定着し続けている。

多分、Pythonの汎用性が幅広い分野で活用されているということなのだろう。有名なところではYouTubeやDropboxがシステム開発にPythonを採用している。大規模開発でも十分通用する言語なのだ。

今、Python開発者のグイド・ヴァンロッサムのシンプルな設計思想が世界に広がっている。30年も経ってから。

Pythonは、きっと残り続けるだろう。プログラミング言語新興勢力の中で「C」が不動の一位であり続けるように。

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