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ユーチューバーの不祥事と炎上の構造 – 紛れ込む「別の火」

某ユーチューバーが交際中の女性に暴行を加えたとして、警察に逮捕されたことが週刊文春に報じられ、スキャンダルとなったニュースは記憶に新しい。

ニュースはYouTube業界を揺るがした。彼はYouTubeでは名の知れたトップクリエイターたちとコラボなどもしていた有名人だったからだ。

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ユーチューバースキャンダル

過去には、「VALU騒動」と呼ばれる事件もあった。簡単に説明すると、VALUとはクリエイターの人気を株(疑似的なもの)に置き換え、売り買いするというサービスだ。好きなクリエイターの株を買っておいて、さらに人気が高まった時に売ることが出来れば利益になる。このサービスにはクリエイターの一挙手一投足に注目が集まり、それによって株価が左右されるという側面がある。

クリエイターが株価を吊り上げるだけ吊り上げ、その天辺で自分の保有している株を売り払えば大きな利益になる。それが実際に起こり、インサイダー取引にあたるのではないかとネットで騒がれたのだ。

この事件に関わったクリエイターは謹慎として、一定期間活動を休止していたが、再び活動を再開している。

また、つい最近ではTwitterで、有名クリエイターにパワハラ被害を受けたという女性が現れ、大勢がクリエイターの行為を非難した。しかし、蓋を開けてみると、その女性とクリエイターは協力関係にあり、単なる注目を集めるためのパフォーマンスだったことを暴露、それが人々の反感を買い、さらなる炎上騒ぎとなった。

炎上に加わる「別の火」

クリエイターのこうした不祥事、スキャンダルが発生すると炎上するわけだが、短期間で消沈するのがいつものパターンだ。

実際、炎上中に人々は、twitterに様々な批判コメントをツイートするが、多分、ツイートした時点で気が済んでしまうのだ。

「俺は、言いたいことを世間に向けて言ってやった!」

つまり、集団になると世間の怒りが烈火のごとく燃えているように見えるが、個々のレベルでは大した怒りの感情は無く、ニ、三のツイートによって自身の社会的責任は果たされたとばかりに興味を失う。

要するに、炎上騒動とは、怒りが燃えているのではなく、炎が必要な酸素を消費しながら鎮火するプロセスそのもの。平たく言うなら「ガス抜き」だろうか。

最初から鎮火に向かって燃え始めている前提で、そこに持続性は無い。ただ、そうでない人たちもいる。

パワハラ被害の件でも、実際にパワハラを受けた女性たちからの非難が殺到したが、それは、この騒ぎで着火したわけではなく、個々がそういった不条理と戦いながら生きてきたという背景があるので、すでに着火はしていたのだ。別の火が炎上に加わったという見方が正しいだろう。

また、不祥事を起こすクリエイターには、最初からアンチと呼ばれる人々が一定数存在するので、やはり、その場合も不祥事で始まった炎上とは、別の火が途中から参戦していると見た方がよいだろう。

そういった「別の火」が加わると、比較的、炎上する期間が長くなるが、実際、ほとんどは初期の段階で終わっており、その残り火は、今回の炎上とは直接関係の無い「別の火」である可能性は高い。

不祥事による炎上とアンチは切り分けるべき

炎上中に発端となった当人が一定期間謹慎する。ほとぼりが冷めるのを待っために。しかし、なかなか消えてくれない燃え残っている火があったとしても、それは、最初から燃え続けている「別の火」なのだから、謹慎期間が長くても短くても、結局は、降りかかる火の粉である。

不祥事を起こしたクリエイターだけではなく、芸能人であっても基本は同じだ。

不祥事よって着火した炎上については、やはり、対処としては、謝罪、謹慎が妥当だろう。しかし「別の火」は、その妥当な対処では消えてくれない。

アンチの最終目的はクリエイターの社会的抹殺であり、クリエイターが活動を続ける限り、火を消すことは不可能だ。方法は一つ、放置する以外に無い。

VALU騒動で一時、謹慎という形で活動を休止していた有名クリエイターが活動を再開した時、やはり、残り火から多くの非難があった。「禊は終わっていない」「二度と出てくるな」と。

しかし、彼はその声を振り払って動画投稿を続けた。VALU騒動に関する是非は別としても、この「残り火」に対する彼の対処は、全く正しかったのだ。

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