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” フォロワーの整理 ” が何をもたらすのか?

Twitter界隈で時々耳にする ” フォロワーの整理 ” というフレーズ。要するに大量の相互フォローを一方的に解除する行為だ。

「フォロワーの整理しまーす」
「フォロワー整理したらスッキリ」

そんなツイートがタイムラインに流れてくる。こういったツイートを見かけると次のように思う。「いちいち報告するな」と。

タイムラインに流れて来た「明日、フォロワー整理します」と言われたフォロワーは、そのツイートを見てどう思うだろう。間違っても良い印象は抱かないだろう。せいぜい「ああ、こいつやらかしたな」ぐらいだ。

僕がTwitterを運用し始めてから三年ほど経つが、フォロワーの多くは相互フォローが成立している。その中で ” フォロワーの整理 ” を実行したアカウントは僅かだ。100人中1人ぐらいの割合、いや、もっと少ないかもしれない。

つまり、相互フォロー状態を一つ一つ解除するという面倒な作業を普通はしないものだ。それをわざわざ行うユーザーは、明確な損得勘定を持って、その行為を行っている。

さて、その目的とは何か?

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インフルエンサーになりたがる人々

一つは、タイムラインに流れてくる情報量と情報の質を制限したいという動機が考えられる。ただ、Twitterには、リストやミュートという機能があり、特定の情報のみを抽出したいということならば、それら機能を使う方が合理的である。

例えば、時事ニュースだけを拾いたければ、メディア系のアカウントを集めたリストを作ればいい。くだらないツイートばかりをするアカウントがあればミュートをすればいい。

一斉解除によってフォローを減らしたところで、残されたアカウントのリツイートによって流れてくる無関係なツイートや企業広告までを排除することは出来ない。Twitterの仕組み上、タイムラインの情報制限をすることは不可能なのだ。ゆえに、リストやミュート、ブロックといったホワイトリスト、ブラックリスト機能が実装されている。

情報制限のための ” フォロワーの整理 ” というのは、一つの口実なのかもしれない。

では、本来の目的とは何か? それは、FF比率だ。

FF比率とはフォロワー数とフォロー数の比率だが、インフルエンサーなどはフォロー数が少なく、フォロワーが多いというのが特徴だ。それが人気度の指標になる。

相互フォローの一斉解除によって、そのアカウントが人気があって一方的にフォローされているように見せかけることができる。

しかし、大抵、そのような小手先の誤魔化しで作り上げた ” 人気 ” は、すぐに見破られる。プロフィールとタイムラインを確認され「なんじゃこりゃ」と思われてフォローを外されるのがオチだ。

そして、僕が見てきた中では、 ” フォロワーの整理 ” を行うアカウントは、フォロワー数が1000人に満たないアカウントがほどんどだ。1000人以上のフォロワーがいるアカウントが、相互フォローの一斉解除を行うといったケースを見たことがない。

1000以上の相互フォロー状態を作るために多くの時間を費やしてきたアカウントは、その運営方針を180度変えて、大量の繋がりを簡単に切り捨てることが出来なくなるからだ。

一方、フォロワー1000人未満のアカウントが、相互フォローの一方的解除を行うのは ” 虚栄心 ” からだ。多くのフォロワーを欲しがってはいるが集めることが出来ない。ゆえにフォロー数だけを減らして、インフルエンサーのフリをする。

” フォロワーの整理 ” というフレーズにも表れている。

フォロワーとは ” 人 ” である。物ではない。「フォロワーを整理します」とあたかも事務手続きのような言い回しをすることで、自身の自己中心的な行いを正当化しようとしている。

実際、彼らが行っていることは「俺はフォロー外すけど、お前はフォローし続けろ」という利己主義でしかない。

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フォロワーがフォローを越える時

Twitter界隈の中ではフォロワー数が飛躍的に増加し、フォロー数を超えるケースがある。無論、” フォロワーの整理 ” など行っていない。これが正常なFF比率の変化だ。

その比率は人為的に作られたわけではなく、バズによって多くの人々が注目した結果、勝手にフォロワーが増えていくという現象によるところが大きい。

僕が定期的に観察しているアカウントの中に、実際にそういった例があった。

そのアカウントは3Dプリンターを使った美術作品を発信していたが、作品の一つが多くの人にリツイートされバズが起こった。その時点ではフォロー数600に対して、フォロワーは短期間で数千人規模となり、現在でも伸び続けている。

そのアカウントはバズが発生してから、フォローをほとんど行っていないはずだ。つまり、バズ発生以前は相互フォローで運用されていた。これはインフルエンサーが誕生する初期に起こる現象だ。

では、” フォロワーの整理 ” でインフルエンサーが生まれることはないのだろうか?

仮に、大量にフォローを行い、相互フォローが成立した後に一斉に解除したとしよう。すると、一時的にFF比率が向上する。しばらくすると、フォロワーが減っていくかもしれない。相互フォロー解除に気づいたフォロワーがフォローを外すからだ。

残ったフォロワーは ” ファン ” ではない。単に解除に気づいていない人たちだ。” 気づいていない ” ということは ” 注目してもいない ” ということになる。

同じ手法を繰り返していけば、フォロワーを増やすことは出来るかもしれない。

では、それを ” インフルエンサー ” と呼べるか?

相互フォロー目的で集まった統一感の無いフォロワーにフォローされている数字だけのアカウントに、誰も関心を持たないことは明白だ。

フォロワー数一万人に対して、いいねの数が一桁なら、明らかに誰も見ていないアカウントだ。むしろ、蜜に交流をしているフォロワー30人の鍵アカウントの方が影響力という点では勝っている。

人の繋がり

実は僕もリムーブ、つまりフォロー解除を行うことがある。それは、一方的に相互フォロー解除をするのではなく、相互フォローしていない状態、かつ、1年以上休止しているアカウントか、全く無関係に思えるアカウント、または、人としての礼儀を弁えないおかしなアカウントをリムーブすることはある。

ただ、一度、ブロックにより相互フォローを解除した例はあった。

経緯を簡単に説明すると、相互フォローした後、そのアカウントが明らかにbotであると気づき、さらにツイートには危険なサイトへのリンクが張られている状態だった。やもえず、ブロックした形だ。

もし、大量に無意味なツイートや、おかしな画像、広告のリツイートばかりを流してくるアカウントがあれば、ミュートを使えば済む。情報を制限したいというならリストを作って管理すればいい。

僕はTwitterの相互フォローは、名刺交換だと思っている。それは自己紹介であり、お互いが存在を知らせるものである。ゆえに、相互フォローの解除は貰った名刺を破り捨てるようなものだ。

Twitterの規約で禁止されているわけではないから、相互フォロー解除はユーザーにとって当然の権利という考えは、少し論点がずれている気がする。Twitter社の規約はシステムの維持を脅かすものを規制しているのであって、社会のモラル全般を定義しているわけではない。

無論、相互フォローを一方的解除することは自由だが、人の繋がりの中で行われる行為としては、マイナスにしかならない。

それは、FF比率に拘り過ぎて自ら名刺を渡すことが出来ず、長い間、フォロワーが増えない数多くのアカウントを見ていれば分かることだ。

Twitterの伸ばしかた ~10ケ月で2万人と繋がれた私の、これだけは抑えたい10のこと~
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