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Twitterで話題の「ベストセラー本」は本当に読む価値があるか?

ベストセラーと言われる書籍の中には「なぜ、これが売れてるの?」と疑問に思えるものが度々ある。多分、書店に行った誰もが一度は持つ疑問だろう。別にマーケティング攻略の話をしているわけではない。僕なりの仮説を元に、この不可思議な現象について考えてみたい。

誰が買っているのか?

「一体、誰がそれを買っているのか?」この疑問は、極めて重要だ。

多分、誰もが思い浮かべるだろう。宗教関係の棚にずらっと並んだとある書籍を。それは多くの人に読まれており、限られた書店の一定のスペースを埋めている。それがどこから出版されたものかはここでは伏せておこう。

要は、宗教団体を信仰する全国の会員が顧客なのだ。会員数が100万人以上いるなら、多分、書籍をミリオンセラーにすることは普通の出版物に比べて容易いだろう。このビジネスモデルは宗教法人だけに限られているわけではない。

今や「信者ビジネス」とも揶揄されているインフルエンサービジネス(ファンビジネスという言い方もあるが)が、それだ。本の売上だけの話ではない。インフルエンサーがTwitterで薄っぺらな格言をツイートすれば、それが多くの人の共感を集め、支持され、賞賛される。瞬く間にリツイートで拡散される。そして、どこぞの馬の骨とも分からない奴が、それより以前に同じことを呟いていたとしても誰も見向きもしない。

そのツイートに多くの人が共感するとしたら、それは誰にでも言えるありきたりなツイートでしかない。そもそも、人と違う発想は、共感を得られないからだ。

「100万部」という実績の意味

僕は一冊のベストセラー本を買った。テレビでもたまに見かける有名インフルエンサーの書籍だ。しかし、途中まで読んでから思った。「これがベストセラー・・・?」この内容ならば、ブログの記事でもよかっただろう。しかし、買ってしまったというのもあり、最後まで読んではみたが、大して収穫らしきものは無かった。正直、無駄な買い物だった。

これが多くの人に買われているベストセラー。 僕の読解力が一般レベルよりも著しく低いのだろうか?

はやり、ここで問題になるのは「誰が買っているのか?」ということだ。宗教法人でもそれが可能なら、インフルエンサービジネスでもベストセラーを量産することは可能だろう。ただ、それは世間一般で言う「ベストセラー」とは、少し意味合いが違う。

「100万部を売り上げた」と言っても、購入者全員が、特定のコミュニティ会員ならば話は変わってくる。そうでない人が買っても、それは「100万部」という数字から与えるインパクトとは程遠い内容かもしれない。インフルエンサー側は、それを「実績」として主張したがるだろうが。

読む価値のある本はどう見つける?

僕が何か本を買うとしたら、まず、「今、Twitterで話題の○○」という触れ込みで紹介される本は除外される。実際にそれで何度か、時間と金を無駄にした経験があるからだ。Twitterで書籍が大量にリツイートされるのは、ある意味、信者によるボランティアの宣伝活動だと捉えている。インフルエンサーの役に立って気に入られたい人たちが、こぞって本を宣伝してくれる。無料で。中には書店で写真だけを撮って「読みました」という体で投稿している者もいる。

Twitterは、書籍の評価をするには不向きな媒体だ。常にフォロワーとインフルエンサーの思惑が交錯して、事実を歪めている。まだ、Amazonのレビューリストにある読書オタクの辛口長文コメントの方が、正確な評価を得られる。そう、Twitterでは無視されがちな「どこの馬の骨とも分からない奴」の書いたコメントだ。

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